
物価高の継続、高水準での賃上げ、金利上昇による負担増、構造的な人手不足など、中小企業・小規模事業者が直面する状況は依然として厳しい状況が続いており、経営を維持発展していくためには、適切な価格設定・価格転嫁を推進するとともに、省力化や新事業を展開するための設備投資やデジタル化を推進するなどして、労働生産性を高めていくことが求められています。
さらに、米国の追加関税及び相互関税の引上げにより、中小企業・小規模事業者の経営に影響を及ぼすことが懸念されているなど先行きが不透明な中、中小企業・小規模事業者はこれまで以上の経営努力で、環境変化にも対応できる経営力を備えていかなければなりません。
本会では、効果的かつ効率的な事業を実施して中小企業・小規模事業者や組合等の支援ニーズに応えるため、令和3年度に本会事務局の中期運営計画を策定し、本年度が5ヶ年計画の最終年度となりますが、同計画で数値目標に掲げた組織化の促進や非会員組合等の加入促進及び脱退組合等の防止に向けた取り組み、全会員組合年1回の巡回訪問の実施、経営革新計画や事業継続力強化計画の策定など個社支援の強化など、計画通りに実施することができませんでした。
これは、事務局管理者が進行管理や適切な指示・指導を行わなかったこと、また、事務局全体として本会の使命や役割についての理解・認識が欠如していたためであります。特に巡回訪問を計画通りに実施しなかったことで、中小企業・小規模事業者の課題の実態を把握することができず、効果的な事業実施ができなかったほか、会員の脱退数増加についても、組合等との接点を持たず、何の支援も行っていない中で、本会への加入意義がないことを理由に脱退した組合等もありました。
中小企業・小規模事業者は極めて厳しい経営環境下にある中、日々、経営を維持していくため、たゆまぬ努力を続けております。本会は、これら中小企業・小規模事業者の振興を図るために、国・県等から補助・委託を受け、職員を配置し、事業を実施しているところであり、効果のある事業や支援を行うことができなければ、存在意義を問われざるを得ない状況にあります。
そのため、創立70周年を迎える本年度、事務局の全職員が本会の使命・役割を再認識し、事業を実施していく上での基礎となる巡回訪問を計画通りに実施することで、会員組合等及びその構成員である中小企業・小規模事業者の真の経営状況や課題を把握し、その課題解決に繋がるための事業を実施してまいります。
令和7年度事業実施にあたり、茨城県及び関係機関、そして会員組合等の皆様の一層の御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げます。
(令和7年度事業計画書 基本方針から抜粋)
茨城県中小企業団体中央会
会 長 阿 部 真 也