木材乾燥について |
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建築用木材にとって「乾燥」はとても重要です。 木材のために本当に望ましい乾燥とは、樹種や製品に適した「自然乾燥」です。 以前は木材の都合に人間が合わせてゆっくりと時間をかけ、木材に無理なく呼吸をさせて自然に乾くのを待ちました。 そうしてできた製品を、熟練した大工さんがそのクセを生かしながら建物へと姿を変えていったのです。
はっきりしているのは、未乾燥材より乾燥材の方が明確に良いということです。 木材は乾燥すれば曲がりにくくなり、割れることも少なくなり、強度も上がります。 確かにヒノキに含まれるヒノキチオールは乾燥途中で水分といっしょに出ていきますが、そんなことは未乾燥材を使う言い訳けにしかなりません。 しかし、現在使われている檜や杉の柱材はほとんどが木の芯である「芯持ち材」ですが、この芯の部分の「アカミ」はなかなか乾燥しません。 それでも人工乾燥して中の部分まで15%を切るようにすると、その前に周辺部が過乾燥になって割れ、もはや家の柱としては仕えない状態になってしまいます。
伐採したばかりの丸太を製材し放置しておくと、木材に含まれている水分が次第に蒸発していきます。
その後、含水率が25%以下になると木材の収縮が始まり、日本の気候でその値は15%〜17%で止まります。
乾燥材は、未乾燥材と比較して製材工程やコストに違いがあります。 こうして製材された乾燥材は、使用に際して収縮や曲がり、割れの生じにくい材料となり、より強度のある制度の高い木造住宅の材料となるのです。
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スギやヒノキなどの国産材のほとんどは、山から立木を切り収集所(土場)に集めて原木市場に運ばれます。 ここで入札やセリにかけられ、落札した製材業者に運ばれます。 各製材所で製材加工された製品は、トラックによる陸送で他の市場や問屋さんに送られます。 山から切り出した原木を効率よく運ぶためには、林道を整備する必要があります。 林道は、効率的な林業経営を進めたり、適切に森林を管理するために必要なばかりではなく、山村の生活環境づくりにも重要な施設です。 現在、基幹的な林道と作業道を組み合わせた「林道ネットワーク化」などが取り組まれていますが、その進ちょく状況は目標の5割弱にとどまっています。 輸入材の場合は、原木のまま輸入されるものと、輸出国側で日本向けに製材加工されたものに大別されます。 貨物船による海上輸送で、全国各地の港に陸揚げされます。 その後、税関や検疫などを経て、トラックによる陸送で各地の製材業者や市場などに運ばれます。 木材は乾燥すると重量が軽くなります。 つまり、乾燥剤は未乾燥に比べ同じ積載量の車両で、より多くの量の木材を運ぶことができます。 木材を乾燥させると運送効率が良くなり、結果的に運送料が割安になります。
製材工場とは、原木(丸太)を仕入れてそれを角材や板材に加工する、いわば「木材のメーカー」に当たります。 素材である木材は人間と同様、この世に2つと同じものはありません。その1本1本が様々なクセを持っています。 私たちは代々先輩から受け継いだ眼力でそのクセを見抜き、そして受け継いだ技術でそのクセを生かしながら製材します。 現代では、経済的理由や時間的制約から人工乾燥機の導入が進められています。 しかしそれは木材を強制的に乾燥させてその色やツヤ、油分までをも搾り出し、1本1本がクセもない使いやすいだけの製品へと変えてしまいます。 が、そうはいっても悲しいかな、時代の流れに逆らえずに強制的に乾燥させた製品も市場に流通しています。 私たちは、遠い昔から木材を乾燥させて使ってきました。 木材を「乾かして使う」ことは極めて重要なことです。 しかしそれは、木と上手につきあうための乾燥であって、木の個性を見抜けない無理な乾燥とは違っていました。 飛鳥時代から受け継がれてきた日本古来の技術は未だ健在です。 その技術を生かすも殺すも、我々次第のような気がします。 丸太から板材や角材に製材するときにできる木クズで、無駄になるものは何一つありません。 肥料や堆肥として使われるのはもちろんのこと、樹皮は細かく砕いてボイラーの燃料になります。 また、製紙の原料や割りばし、鉛筆などに加工されたり、炉に入れ加熱して発生したガスは燃料になります。 その他、活性炭や粉炭(フンタン)に加工され様々な利用法が注目されています。
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