中小企業組合の将来を担うものとして組合青年部への期待はきわめて大きい。

 組合青年部が親睦団体から脱皮して、組織として機能するためにはまず、将来自分たちの業界や組合をどうするのか、その方向性の中での組合青年部の役割と目標を見つけて、長期ビジョンを立てます。これは、なにも青年部活動に限ったことではありません。 親組合もビジョンがあって組織的な機能をするのです。その目標の中には、業界や組合が永続性を持って発展するために、将来の業界や組合を担っていく次の世代によるリーダー養成がどうしても必要となり、組合青年部活動には、このような目標にそって各種研究会・研修会や外部交流会などを推進して行かなければなりません。

 組合青年部の大半は、組合組織の中で理事会の下に位置づけられ(組合においては、多少の違いはあります)、総務・事業委員会など目的別委員会と並列に置かれています。 その理由としては、組合青年部は限られた目的のために活動するのではないということです。自由な発想による企画・立案や積極的な行動を親組合が期待しているからです。 理事会(親組合)の傘下にあるということは、青年部の企画なり事業は、最終的には理事会の承認を得る必要があるということです。 そこで、問題になるのが親組合と青年部の関係、親組合の青年部に対する理解度です。実際の組織運営の中では、親組合との折り合いの悪い青年部や組合青年部活動に理解のない親組合もあります。だから、親組合への従属だけでは組合青年部の活性化は図ることはできません。 そこで、親組合離れを行い、自主的な運営のはかれる体制を作ります。 親組合の意向を汲みながら、しかも自主運営を図ることが青年部活性化のきっかけです。 また、本当の意味で自主運営することは、遊びや苦労の過程を通じて仲間意識が生まれてきて、連帯感も育ってきます。そして、組織としての体制も整ってきます。

 親睦団体からの脱皮、ビジョン設定だけでは組合青年部が活性かするわけではありません。 どんな組織でも、また人間関係でも同様、実績が信頼のバロメーターになり、組合青年部としては、自分達のビジョンを実現するためにも地道な活動を展開して、実績を積み重ねていくことです。「活性化」というお題目を唱えるだけでは、一歩も進まないものです。 しかし、これからの時代は新しい情報をいかに素早くキャッチし、いかに有効に活用するかが、組合運営や企業経営のカギになります。 組合青年部にとっても、情報収集は活性化のうえでの必須の条件で、研修会・研究会、或は、他の青年部・関係団体との交流会などには、積極的に参加しましょう。 実際には、地道な活動は脱落者が続出して、組合青年部活動が長続きせず、とくに、今の若い人達、新人類の青年部員にとって、面白さの演出は地道な活動と共に必要な前提条件になります。面白さの演出とは、何も突拍子もなく奇抜なアイディアを求めているのではなく、例えば、毎日商売をしている企業家にとっては、損得が行動の基準となるのはやむを得ないかもしれないかもしれませんが最近の個人主義の台頭はこのことに拍車をかけて、組合青年部の問題を更に難しくしているのではないでしょうか。そこで、同問題解決のためには、組合青年部員のビジネスに、極力つながるよう名事業計画を考えていくことも、一つの解決の道ではないでしょうか。

 組合青年部の活性化が、組合にとって急務であるように、活性化実現のためには組合青年部のリーダーの育成。が急がれます。 組合青年部リーダーの条件は、まず活性化への展望がもてること。組合青年部と組合青年部のビジョンそのものは、スタッフを含めた複数で構築する場合もありますが、リーダーはそれを含めた未来像の展望を頭に描かなければなりません。 また、企業の若手経営者・後継者達を引っ張っていく統率力が求められます。企業のように上司の権限があればよいのですが、それが通用しないのが中小企業組合です。青年部のリーダーには人間的魅力、人間的な幅も必要になってきます。 組合青年部の事業にしても、親組合の事業協力にしても、所詮一人や二人で出来る仕事ではなく、いかに部員たちが進んで働いてくれるかが、青年部らのリーダーシップによるものではないでしょうか。 こういう人間的側面に加えて、リーダーには情報収集力が能力も必要です。それというのも、現在は時代の変化が早すぎるのです。どんな流行現象も人気の高いテレビ・コマーシャルも長続きしない時代です。情報キャッチ能力がなければ、正しい判断を下すこともできません。常に後手に回っていたのでは、部員からリーダー失格の烙印を押されてしまいます。 リーダーの情報収集は、社会的現象の変化に対してばかりでなく、行政機関や関係団体への情報ネットワークも大切です。 これはまた、他の諸団体との交流会・調整を行う役割を担うことにもつながります。

 


茨城県中小企業団体中央会